1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680661
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 浩士 千葉大学, 理学部, 教授 (40011572)
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Keywords | ラット / ヒゲ / 毛包 / 幹細胞 / 毛母細胞 / 毛乳類 / 標識 |
Research Abstract |
幹細胞動態の解析 毛は成長期に毛乳頭細胞のはたらきにより毛母細胞が増殖・分化する事によって産生されるが、移行期を経て休止期には毛母細胞が失われ、毛の産生は完全に停止する。しかし、未知のしくみによって新しい毛母細胞が出現し再び成長期にはいる。毛はこのようにして生涯再生し続ける。毛母細胞を生涯供給し続けると考えられる幹細胞から毛母細胞形成への道筋を明らかにする目的で、毛球各部の外根鞘細胞(このなかに少数の幹細胞が存在すると予想されている)をマイクロインジェクション法で蛍光標識して、器官培養により毛周期を進行させ標識細胞の移動を解析する計画で研究を進めた。しかし、いろいろ試みたが外根鞘の外側に位置する結合組織性毛鞘が強固で外根鞘細胞を標識することが不可能であると判断した。そこで現在ベータ・ガラクトシダーゼ遺伝子を導入したレトロ・ウイールスを単離毛包に取り込ませて外根鞘細胞を標識する条件を検討している。このウイールスを取り込んだ増殖細胞およびその子孫細胞は組織化学的に検出できる。従って毛母細胞を供給した幹細胞がどこに存在したか、その由来を知ることが出来ると期待される。一方、蛍光標識法では外根鞘細胞は標識出来なかったが、結合組織性毛鞘細胞は標識でき、培養後に標識細胞の移動を検討したところ毛乳頭に標識が認められた。このことから他の実験結果をも踏まえて毛乳頭細胞の結合組織性毛鞘細胞による更新の可能性についても検討を開始している。
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