1998 Fiscal Year Annual Research Report
GM1ガングリオシドーシス疾患モデルマウスの病態解析と治療への応用
Project/Area Number |
10680784
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
松田 潤一郎 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (60181731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝本 一広 国立感染症研究所, 動物管理室, 研究員 (70280766)
小倉 淳郎 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (20194524)
大島 章弘 国立感染症研究所, 獣医科学部, 客員研究員
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Keywords | マウス / 疾患モデル / トランスジェニック / リソゾーム病 / β-ガラクトシダーゼ / ガングリオシドーシズ / 神経変性疾患 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
リソゾーム性蓄積症の一つであるGM1ガングリオシドーシスは、酸性β-ガラクトシダーゼ(β-Gal)の遺伝子異常に起因し多くは進行性の中枢神経症状を呈する。私たちは、β-Gal遺伝子ノックアウトマウスを作出し、このマウスがヒトのGM1ガングリオシドーシスのもつとも重篤なタイプである乳児型の有用なモデルであることを明らかにしている。本研究では、ノックアウトマウスの病態解析をさらに進めるとともに、ヒトの患者でみられる多様な病型に対応したモデルマウスの作成、さらにモデルマウスを用い遺伝子治療をはじめとした治療法の開発を目的とする。現在までに、ノックアウトマウスの蓄積物質の加齢変化を調べ、脳内GM1およびア′シアロGM1の急速な蓄積が1〜2週齢という早い段階より見られることを明らかにした。一方、肝臓の糖脂質は必ずしも加齢に伴う増加傾向は示さなかった。本研究においては、ノックアウトマウスのコンジェニック化を行っており、現在までにN7世代に至りマイクロサテライトマーカー検索により、ほぼC57/BL6背景となっていることを確かめた。一方、多様な病態モデル作成のためヒト変異型β-Gal遺伝子導入マウスを作出しており、GM1ガングリオシドーシス成人型変異遺伝子(I51T)と幼児型変異遺伝子.(R201C)を導入したトランスジェニックマウスを得、これらのトランスジーンをノックアウトマウスへと導入し始めた。治療法開発に関しては、トランスジーンによる遺伝子治療の試みとして、また細胞移植用のドナー細胞としての有用性を検討するために、ヒト正常β-Gal遺伝子をマウスに導入し、β-Gal高発現トランスジェニックマウスを作出した。またノックアウトマウスを用い、長期的発現が期待されるアデノ随伴ウイルスを用いた遺伝子治療を開始した。
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Research Products
(1 results)