1998 Fiscal Year Annual Research Report
数学課題における遂行に及ぼす認知的諸要因および生理的反応の影響について
Project/Area Number |
10710038
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤生 英行 筑波大学, 心理学系, 助教授 (40251003)
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Keywords | 数学課題 / 数学に対する認知変数 / 呼吸 / 心拍変動 / AD変換 / GSR / 課題解決 / 課題遂行 |
Research Abstract |
実験に用いる数学課題は,この領域において最も引用される課題(Dowling,1976)の日本語版を用いている.この17問からなる課題は,数学の3つの構成要素(計算,知識,幾何)を全て含むものである.高校3年生で天井効果が現れ,ほとんどが解決できるが,メンタル負荷は高いものと判断される課題である.これらの課題については,予備実験などを行いつつ課題改善を行っていくつもりである. 【研究1】数学課題解決中の生理反応基礎データの検討 被験者 成人3名 手続き これまでの研究で作成済みである,数学に関する認知を測定する尺度を実施することにより,既有の数学に対する認知測度を把握している.3分程度の安静時のベースライン計測の後,数学課題を生理的反応を計測しながら実施させる.実験補助者が一題ごとに問題を提示する.その際の継時的データをADコンバータを経由してコンピュータに記録する. 分析 生理反応については,呼吸数,心拍変動(CM5におけるR-R間隔),容積脈波,GSR等を指標とし,400HzのサンプリングポイントでAD変換した後,現有のパソコン上にてスペクトル解析・心拍変動解析(SDの時系列変化)等の解析・時間周波数解析(wavelet解析)を行うことを試みている.課題解決時におけるこれらの係数の変動を,詳細に検討するとともに,認知測度の得点とも併せて考察する予定である.現在,これらの指標を用いた研究を行っており,次年度につながるさらなる分析方法も検討中である.分析途中であるが,数学課題実施中の生理反応変化は確実にあらわれており,今後数学の得意不得意と言った認知における個人差と生理反応の個人差をどのような形でシンクロさせるかが課題となっている。
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