1998 Fiscal Year Annual Research Report
新発見の秦代封泥についての文字学的研究-“漢字形成史研究"のために-
Project/Area Number |
10710220
|
Research Institution | Niigata Women's College |
Principal Investigator |
高久 由美 県立新潟女子短期大学, 国際教養学科, 講師 (30300081)
|
Keywords | 漢字 / 封泥 / 秦系文字 |
Research Abstract |
1995年夏、陜西省西安市郊外で秦代封泥が大量に発見され、その後の正式調査により更に大量出土したことが報じられた。これら新発見の資料は、始皇帝の天下統一後の文字資料と考えられ、従来、材料が乏しいとされてきた秦系文字を研究する上での貴重な新資料といえる。 研究初年度は、資料の基礎的整理ならびにそれのパソコンへの入力を中心として、以下のことをおこなった。まず、新発見封泥を、学術雑誌などに発表された分と、日本に将来され博物館などに分散して収蔵された分とにわけて、拓本、写真など可能な限り資料を収集した上でカード化した。次に、これらに基づいて印文索引及び個々の文字についての逐字索引をデータベース化した。また、これら収集したデータを利用して、さらに秦公一号大墓より発見され近年公表された石磐の銘文を材料として加え、秦系文字の史的変遷について具体的にどのように把握しうるかについて、二つの新資料を中心として初歩的な比較検討を開始した。 初年度の研究成果の一部は、日本中国学会創立五十年記念大会(1998年10月)で「新出秦公大墓石磐銘・秦封泥にらいて--とくに秦系文字研究における意義--」として口頭発表し、また、別に「『説文解字』祖本への接近--小篆の字形を中心として--」『県立新潟女子短期大学紀要』第三十六集(1999年3月1日刊行)として論文にした。
|
Research Products
(1 results)