1999 Fiscal Year Annual Research Report
現代フランス政治家の地方政治活動と特殊利益の擁護に関する実証研究
Project/Area Number |
10720048
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
増田 正 高崎経済大学, 地域政策学部, 助教授 (10285067)
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Keywords | 地方政治 / フランス政治 / 政治活動 / 国会議員 |
Research Abstract |
平成11年度は本研究の最終年度(二カ年)にあたる。本年度実施した研究としては、サーベイデータ収集のための第二次政治家アンケート調査と、その結果を踏まえた政治活動事務所での個別ヒアリングに大きく二分できる。前者のアンケート調査に関しては、昨年度末に送付した第一次調査(政治行政関係の計量化)の集計・解析を行った後、海外研究者からの研究計画助言にもとづき追加の第二次調査を実施した。第二次調査の目的は、政治家の代表観と利益擁護に関する意識を計量的に把握することであるが、研究の暫定集計の結果によれば、前回の調査に比べてサンプル数は減少したものの、「公益」、「一般利益」、「特殊利益」、「圧力集団」等の主要概念に対して抱いているフランス政治家の意識構造を計量化することごできた。また、先方の要望により、この暫定集計を携えてのヒアリングと地方政治活動の定点観測を行い、質問票からは得られない具体的な政治活動の意識と状況を調査した。アンケート調査では、政治家は公益に肯定的な意見をもち、特殊利益に否定的な意見をもっていることがわかっていた。しかし、ある県庁事務所でのヒアリングでは、自らが小選挙区で選出されていることを根拠として、より多くの意見を代表していると考える一方で、他党派については、系列団体の代表ととらえるなど、やや都合の良い解釈が見られた。また、一般に、フランスにおける与野党の政策距離は縮小化してきていると信じられているが、政治哲学・思想信条については、いぜんとして左右の隔たりが大きいように感じられた。第一次調査、第二次調査、海外ヒアリングの結果については、平成12年度中に「地域政策研究」等に発表する予定である。
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Research Products
(1 results)