1998 Fiscal Year Annual Research Report
農産物の輸入自由化による社会的厚生の変化-果実市場を例にとって-
Project/Area Number |
10730022
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
水野 英雄 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (50293725)
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Keywords | 輸入自由化 / 社会的厚生 / 輸入数量制限 / 関税 / 農産物 / 果実 |
Research Abstract |
本研究ではまず日本の果実市場における社会的効用関数の推定を行う。そのために日本の果実市場を主要な財にて定義し、さらに細かい分類が必要な財については高級品と日常的に消費されている財とに再分類して定義する。そして、それらの財の詳細な価格及び消費量のデータセットを作成する。価格データについては国内価格・国際価格の両方のデータセットを作成する。また、消費量のデータについては国内産と輸入品とを区別してデータセットを作成する。これらのデータは原データを月次データとし、さらにそれを必要に応じて四半期データ・年次データに変換して用いる。果実については季節によって出回る財が異なるため、場合によっては季節毎に分けて効用関数の推定を行う。 本年度は社会的効用関数の推定を行うための基礎的データの収集に当たり、各種の農産物について価格・消費量データの収集を行った。出来うる限り長期間にわたるデータセットの作成を試みたが、消費者の選好の変化による財の消費や生産のパターンの変化や集計基準の変更、データの不備等の問題があり、モデルを推定する際には克服すべき問題点として存在している。 次年度はこれらの収集されたデータに基づいてパラメータの推定を行い、さらに推定値についての検討を行う。そして求められたパラメータに基づいて政策の変化(輸入数量制限の撤廃、関税の引き下げ等)による社会的厚生の変化を計測する。 また、年齢、性別等による消費についてのより詳細なデータを得ることが可能であれば年齢、性別等の相違による消費者の選好を考慮したモデルの構築が可能であると考えられ、出来る限りそのような方向へのモデルの発展を試みる。
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