1998 Fiscal Year Annual Research Report
会計情報・監査システムの契約理論によるモデル・シミュレーション
Project/Area Number |
10730071
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
内川 正夫 京都学園大学, 経営学部, 講師 (90278432)
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Keywords | 会計 / 監査 / モニタリング / モラルリザード / アドバースセレクション / 契約理論 / 理論会計学 / 情報システム |
Research Abstract |
本年度はベースモデルの構築を中心に研究を進めた.ベースモデルの構築にあたって,関連文献のサーベイ(文献2)と企業の会計担当者へのヒアリングを行った.ヒアリングは会計担当者が外部監査・内部監査などに対してどのように対処するのか,その基本的な方針などについて行った.そのヒアリングに基づいてベースモデルの設定の修正を行った(ヒアリングの結果はシミュレーション分析の基礎データともする). ベースモデルについての研究はつぎのようにまとめられる.複数の業務を遂行している労働者に対して,モニタリングを実施するときの最適な方針についての研究を行った(文献1).その結果,業務間に直接の関連がない場合でも,業務をモニタリングする情報システムが独立していなければ,ある業務で生じた変化が情報システムを通して他の業務に影響を与えることが分かった.それを踏まえ,労働者の行う業務に対して複数のコントロール手段(たとえば,規則やモニタリング)があるとき,どのコントロール手段を用いるのが良いのか,あるいはその両方を組み合わせるとすれば,どのような組み合わせ方がよいのかを検討するモデルを構築した(日本会計研究学会第57回大会自由論題報告にて報告).その結果,情報の精度をパラメーターとすると,モニタリング情報の精度が高ければ,モニタリングを主なコントロール手段として利用し,ある水準を超えると別のコントロール手段(たとえば,規則)に切り替えることが最適な組み合わせであることが分かった.なお,構築したモデルのそれぞれについて予備的なシミュレーション分析も行っている.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masao UCHIKAWA: "On Optimal Monitoring Dolicies to the Activities of Multi-task Agent" Kyoto Gakuen University Review : Faculty of Business. Vol.8・No.1. 77-90 (1998)
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[Publications] 内川 正夫: "ウチカワ,マサオ" モラルハザードとモニタリング:サーベイ. 経営学部論集(京都学園大学). 1998 (8・1)
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[Publications] 内川 正夫: "ウチカワ,マサオ" モラルハザードとモニタリング:サーベイ. 経営学部論集(京都学園大学). 1998 (8・1)47-76: