1999 Fiscal Year Annual Research Report
ゲル高分子を用いたInterstitial Waterの研究
Project/Area Number |
10740200
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三上 充 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20272015)
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Keywords | ゲル高分子 / Interstitial Water / Fluorescence Line Narrowing / フォノンサイドバンド |
Research Abstract |
本研究は、ゲル状高分子に対する分光測定とデータによる解析を通じ、水素結合により高分子に水和して存在する水分子の集合(間隙水,Interstitial Water)の状態、構造の研究を行うことを目的としている。生物の細胞内の水の状態と類似したInterstitial Waterの異常性の起源を探ることで、生命を物理の目から見つめる新たな視点へとつなげることを期待して研究を行った。 昨年度における、Fluorescence Line Narrowingの測定結果をうけ、コンピュータによる解析を行う為、非晶質系中の光学中心に対しての共鳴光学二次過程のアプローチから実験データの解析を行う為の方法を確立した。しかし、これにより得られる情報は水の構造についてのみでなく、ゲル高分子そのものが混ざった形である様である。実験、及び試料そのものの性質として、ゲル高分子からくる構造因子と水分子のアモルファスの構造因子との識別は困難と現在は考えている。この状況からの進展の為、 1.微少な水分子集合体のみからなる系に対する分光 2.Fluorescence Line Narrowing測定において測定領域を変える の二点を今後の課題として考えている。前者として、界面活性剤を介し水分子微少集合体が油中に存在するエマルジョン系に着目している。また後者としてゼロフォノン線を高分解能で測定し、主にTLS(Two Level System)に関わる測定を行うことを考えている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Mikami, T.Nishimura, M.Isonaga, D.Kobayashi and S.Saikan: "Novel Method for the derivation of 1-Phonon Function from Fluorescence Line Narrowing Spectrum"Journal of Physical Society of Japan. 68. 3430-3435 (1999)