1998 Fiscal Year Annual Research Report
逆モンテカルロ法を利用した水素結合性液体の有効ポテンシャルの研究
Project/Area Number |
10740278
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Research Institution | College of Nagoya Bunri University |
Principal Investigator |
本多 一彦 名古屋文理短期大学, 情報処理学科, 助教授 (20242919)
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Keywords | 逆モンテカルロ法 / 水素結合性液体 / シミュレーション / ポテンシャル関数 / 非経験的分子軌道法 / 積分方程式 / ニ体相関関数 / エネルギー分割法 |
Research Abstract |
有効ポテンシャルを生成するために重要となる積分方程式について新たに開発を行い、代表的なHNCとPYのclosureについて計算が行えるようにした。作成したプログラムについては、シミュレーションで得られた二体相関関数を再現するよう、最適化プログラムに組み込み中である。また水素結合性液体のモンテカルロシミュレーションを行うためにポテンシャル関数を作成した。ポテンシャル関数は分子間の重なり積分を用いる独自なもので、ポテンシャル関数に必要なパラメータについては、非経験的分子軌道法により決定した。さらにシミュレーションでは、どのような分子系でも簡単に入力ができるようプログラムを作成した。また将来の拡張性を考え多成分系にでも応用できるようにした。使用できるアンサンブルは、N,V,TとN,P,Tである。 今年度は全体の研究計画のうち、研究遂行のために必要となるプログラムの開発を重点的に行い、完成に至った。シミュレーションのプログラムの開発にあたっては実行結果の正しさを検証するだけでも大規模な計算が必要であり、本研究課題で導入された高性能計算サーバにより初めて可能となった。 本研究中、ポテンシャル関数のパラメータ決定のため非経験的分子軌道法により二分子間の相互作用の評価を行ったが、水素結合性液体の多体相互作用を調べるため、数分子からなるクラスターについても計算を行った。その結果水のような強い水素結合を生成する分子系ではクラスタの安定構造における平衡核間距離の著しい短縮が見られ、北浦ー諸熊のエネルギー分割法の解析の結果、多体の相互作用として従来から言われている分極の相互作用に加えて、電荷移動の相互作用が重要であることが明らかになった。この成果を有効ポテンシャルの生成に考慮し、次年度の研究を行う予定である。
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