1998 Fiscal Year Annual Research Report
ゾンゲル膜で挟まれたPDA光導波路構造でのATR形高速テイッチング
Project/Area Number |
10750036
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡本 敏弘 徳島大学, 工学部, 助手 (60274263)
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Keywords | ゾンゲル膜 / ポリジアセチレン / 光導波路 / 全反射減衰(ATR)法 / 光スイッチング |
Research Abstract |
1. オルト珪酸テトラエチルとエチルアルコール、純水を主成分とした溶液に、触媒である塩酸又はアンモニアを用いて溶液のpHを変化させながらスライドガラス基板上にディップコーティング法でSiO_2ゾルゲル膜の作製を行った。波長546.1nmの単色光による干渉パターンから膜の評価を行った。これより、pH3以下の酸又はpH10以上のアルカリ溶液であるときのみ膜ができることが分かった。光スイッチング現象観測に用いる高屈折率プリズム材料TaFD9ガラスや、SiO_2ゾルゲル膜の膜厚、誘電率評価に用いる全反射減衰(ATR)配置で必要な金属膜は酸に溶けるため、SiO_2ゾルゲル膜は今後アルカリ溶液から作ることにした。 2. BK-7プリズム-金-SiO_2ゾルゲル膜構造を作りATR法を用いて波長632.8nmの光に対するSiO_2ゾルゲル膜の膜厚,複素誘電率を評価した。ディップコーティングの引き上げ速度をパラメータとして膜を作製した場合、0.8mm/secまでは、引き上げ速度が速くなるにつれ膜厚は増加し、誘電率実部は減少した。それ以上の引き上げ速度では膜厚57nm,複素誘電率約1.73-i0.01でほぼ一定となることがわかった。一回のコーティングで作製できる厚さの限界は、溶液の組成(pH)や引き上げ速度の組み合わせで決まると考えられ、最適条件をさらに詳しく調べる必要があるが、今までの実験結果から最大約110nm厚の膜が得られている。また、SiO_2ゾルゲル膜の膜厚、複素誘電率の経時変化測定より、膜作成後約50時間以上では経時変化が殆ど見られなくなることがわかった。その他、一回のコーティングで得られた膜と二回の膜を比較したところ、複素誘電率は殆ど変わらず、膜厚が約二倍になることが確認できた。これより、多数回のコーティング操作を行うだけで厚い膜を作ることができることが明らかになった。 3. 3次非線形光学材料のポリジアセチレン(PDA)-C_4UC4蒸着膜の線形光学定数を正確に求めた。
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Research Products
(1 results)