1998 Fiscal Year Annual Research Report
非定常燃料噴霧の着火遅れに及ぼす雰囲気条件,噴射条件および燃料組成の影響
Project/Area Number |
10750144
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小堀 繁治 東京工業大学, 工学部, 助手 (40225561)
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Keywords | ディーゼル機関 / 着火遅れ |
Research Abstract |
ディーゼル燃料噴霧の着火遅れに及ぼす雰囲気条件,燃料噴射条件および燃料性状の影響を最新のディーゼル機関の運転条件を実現できるボア60mm,ストローク95mm,圧縮比16.1の単発の小形急速圧縮膨張装置を用いて調べた.燃料噴射開始時期はレーザー光遮断法,すなわちレーザー光をノズル噴口直下に入射し,燃料噴霧先端によりレーザー光が遮断されることから決定した.着火はシリンダーヘッドに設置した圧電素子式圧力変換器で測定した.燃料噴射圧力100MPa,ノズル噴口径0.2mmのもとで,雰囲気圧力を4.2MPaからl2MPaまで上昇させたところ,また雰囲気圧力を4.2MPaのもとて燃料噴射圧力を30からl00MPaまで上昇させたところ,着火遅れは短くなることが分かった. 高圧燃料噴射のもとてノズル噴口径を小さくすると着火遅れは短くなるが,噴口径をφ0.05mmから0.025mmよで小さくすると,両者で着火遅れはほぼ一致し,それ以上短縮しなかった.この傾向は衝撃波管で計測される均一予混合気の自着火,すなわち化学遅れと類似の傾向を示すことが分かり,高圧燃料噴射のもとで噴口径を小さくした場合の着火遅れは主として化学遅れに支配されていることが分かった. 最後に燃料性状の影響が着火遅れに及ぼす影響を調べた.その結果,セタン価が35から55の範囲において,高温域では着火遅れに対するセタン価の影響はほとんど無いが,低温域ではセタン価の増加と共に着火遅れが短くなる.またセタン価向上剤に硝酸塩を用いて着火遅れに及ぼす影響を調べたところ,燃料性状が異なっていても,セタン価が同じであれば,ほぼ同等の着火遅れが得られることが分かった.
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Research Products
(1 results)