1998 Fiscal Year Annual Research Report
変形しやすい物体の動的変形を利用したマニピュレーションの研究
Project/Area Number |
10750191
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
若松 栄史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60273603)
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Keywords | マニピュレーション / 変形しやすい物体 / 動的変形 |
Research Abstract |
研究代表者がこれまで行ってきた線状/薄板状物体の形状変形のモデリングは以下のようなものである. まず,物体の静的安定形状は、ポテンシャルエネルギー最小の形状であるとする。したがって,物体の持つポテンシャルエネルギーを、物体に加えられる種々の制約条件の下で最小化することにより、変形形状を求めることができる。このような問題は,条件付き最小化問題に帰着され、非線形計画法の適当な手法を用いて数値的に解くことができる。これにより,不等式で表される単方向拘束が課せられた場合の変形形状も導出することができる. 平成10年度は、このモデルに動的効果を付加し、ハミルトンの原理から運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの差の時間積分を最小化することにより、動的変形形状の導出を試みた。この計算手法を用いて線状物体の動的変形シミュレーションを行ない、実際の動的変形形状をCCDカメラで撮影したものと比較した。その結果、誤差を考慮しても両者の間には少なくない差異が見られたことから、定式化の段階からの再考察が必要であると思われる。 一方、マニピュレーション過程を評価するための予備段階として、対象物と環境との接触状態に着目したマニピュレーション過程の表現手法を提案した。この手法により、2次元における薄板状対象物の接触状態は、定性的に23種類得られ、これらの間の遷移関係も導出することができた。また、ハンドが接触することにより状態を遷移できる可能性のある箇所を自動検索することにより、定性的な段階から、ある程度マニピュレーション方法を限定することができることを示した。
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