1998 Fiscal Year Annual Research Report
局所・並列処理による自律分散型視覚情報処理システムの構成
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10750305
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
上山 英三 理化学研究所, 制御系理論研究チーム, フロンティア研究員 (10300857)
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Keywords | 反応拡散方程式 / 界面ダイナミクス / 図地分離 / 主観的輪郭 / 動きの境界 / ランダムドットキネマトグラム |
Research Abstract |
人間の視覚処理系は初期視覚と中間視覚および高次視覚に大別される.本研究では初期視覚とその統合過程である中間視覚との間の関係を考察した.特に「動き(初期視覚)による図地分離(中間視覚)」という知覚現象を例にとって調べた.そこで,ランダムテクスチャの画像を多フレーム集めて動画にしたランダムドットキネマトグラム(以下RDKと略記)に注目し,それを人間が観察したときの知覚形態を調べ,それを反応拡散方程式等の微分方程式系でモデル化した.そして,このモデルに基づいた系を構成してシミュレーションを行い,形成されたパターンが知覚形態と質的に一致するか否かを確認し,それによってモデルの有用性を判断した. 上記に基づいた本研究での成果は以下の二つに要約される. (1) 背景の上を背景と異なる動きを持つ正方形領域が移動するようなRDKを作成して観察すると、その正方形領域が背景から浮かび上がって分離して知覚される(図地分離).ここで再生速度(1秒あたりの動画フレームの数)を変化させると,再生速度が大きい場合は知覚される正方形領域の角の鋭さが保持されるのに対し,再生速度が小さい場合は角の丸められた図形が知覚された.この現象を反応拡散方程式から導出される界面グイナミクスで定式化した.即ち,知覚された輪郭を界面と同一視し,輪郭の丸まりを界面グイナミクスに帰着させた. (2) 上記RDKのような自然な状況とは異なり,領域の境界を固定し,その内部と外部に異なる動きを与えたような不自然なRDKを作成して観察すると図地分離が生じず,動きの境界の輪郭も不明瞭であった.このことから二つのことが言える.まず,動きの境界の「動き」が図地分離に大きく関与していること.次に,図地分離が動き検出に影響を与えることである.本研究では動きの境界の動きを移流方程式で定式化した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 上山英三,湯浅秀男,細江繁幸,伊藤正美: "動きによる図地分離での主観的輪郭と界面ダイナミクス" 第37回計測自動制御学会学術講演会予縞集. Vol.1. 289-290 (1998)
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[Publications] Eizo UEYAMA,Hideo YUASA,Shigeyuki HOSOE,Masami ITO: "Figure-Ground Separation from Motion-Subjective Contour and Front Dynamics" Proceedings of the 5th International Conference on Neural Information Processing(ICONIP'98). Vol.1. 311-314 (1998)
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[Publications] 上山英三,湯浅秀男,細江繁幸,伊藤正美: "反応拡散方程式を用いた動きによる図地分離-形成されたパターンの界面と主観的輪郭-" 電子情報通信学会論文誌D-II. Vol.J81-DII No.12. 2767-2778 (1998)
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[Publications] 上山英三,湯浅秀男,細江繁幸,伊藤正美: "視覚処理階層間の相互作用で実現される動きによる図地分離" 第11回自律分散システム・シンポジウム資料. 377-382 (1999)