1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10750318
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
片山 正純 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (90273325)
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Keywords | 対象物操作 / 内部モデル / 把持運動 / 到達運動 / 運動学習 / 予測 / 計画 / 粘弾性調節 |
Research Abstract |
人は様々な対象物を巧みに操作することができる.この視覚・運動制御系における制御ループには,大きな時間遅れが存在する.このため,単純なフィードバック制御だけでは対象物を巧みに操作できない.この観点から,本研究では,対象物の内部モデルを学習により獲得し,その内部モデルを用いた運動計画や予測が本質的や役割を果たしていると考えている.この観点から研究を行い,得られた研究成果を列挙する. (1)把持運動の錯視の影響 本研究では,力覚提示装置(PHANToM2台)を用いた把持・到達運動計測装置を構築した.この装置を用いることにより,対象物の動特性を任意に設定したり,瞬時に変更したりできるようになり,様々な計測条件で把持・到達運動について計測できるようになった.この装置を用いて,最近提案されたGoodaleの行動・認知仮説の検証を行った結果,Goodaleの仮説が正しいとは言えないことを明らかにした. (2)対象物操作における把持力の生成 上述の把持・到達運動計測装置を用いて,人が様々な対象物を操作するときの把持力と負荷力について計測・解析した.この結果,対象物を精密把持(親指と指示指の指先でつまむこと)して持ち上げる運動において,運動開始から250[ms]付近までの把持力は主に計画されていることが明らかになった.さらに,250[ms]以降から体性感覚フィードバックにより把持力が修正され始めるが,そのゲインは非常に小さいことが明らかになった.この結果から,対象物を把持して持ち上げる運動において,把持力は主に計画されていると言える. (3)内部モデルと運動計画 視覚的予測の必要な視覚・運動課題において,視覚的予測に基づいて,運動環境(対象物)の動特性を考慮して,筋活動を開始するタイミングと屈筋と伸筋の同時活性化レベルを計画していることを実験的に確かめた.この結果は,繰り返し試行することにより運動環境の内部モデルを獲得し,その内部モデルを用いて運動計画していることを示唆している.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 山崎一男 片山正純: "力覚提示装置を用いた把持運動制御構築に関する考察"電子情報通信学会技術研究報告. NC99. 87-94 (2000)
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[Publications] 土屋真一 片山正純: "把持運動における認知・運動機構の検討"電子情報通信学会技術研究報告. NC98. 169-176 (1999)
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[Publications] 伊藤昌明 片山正純: "手腕運動における視覚的予測と運動制御"第14回生体生理工学シンポジウム論文集. 255-258 (1999)
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[Publications] 福田浩司ら: "対象物の認知と手の把持形状の計算との関係"電子情報通信学会論文誌. (1999)
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[Publications] XZ Zheng,et al.: "A systen structure with trajectory planning and control for robotic dynamic manipulation"Advenced Robotics. 11-7. 695-711 (1998)
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[Publications] M Katayama,M Kawato: "A strategy of motor learning using adjustable parameters for arm movement"Proceedings of the 20th IEEE EMBS. 2370-2373 (1998)
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[Publications] 片山正純: "朝倉書店"脳科学ハンドブック(仮想軌道制御仮説)(印刷中). (2000)
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[Publications] 片山正純: "朝倉書店"視覚情報処理ハンドブック(視覚と腕の運動の統合)(印刷中). (2000)