1998 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋・鋼管で補強されたコンクリート柱の中心・偏心圧縮下での荷電-変形に関する研究
Project/Area Number |
10750426
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Research Institution | Aichi Sangyo University |
Principal Investigator |
小椋 紀行 愛知産業大学, 造形学部・建築学科, 講師 (20293045)
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Keywords | 拘束効果 / コンクリート / 剛性 / 接合面 / 曲げ耐力 / 剛体バネモデル / 要素分割 / 柱 |
Research Abstract |
1. 研究概要 鉄筋コンクリート部材の接合面における拘束効果について,実験および解析の両面から研究を行った。具体的には,高さの異なるコンクリート角柱と基礎梁を想定したスタブから成る試験体を用いて拘束効果について検討を行った。 2. 実験 300kgf/cm2級のコンクリートを用いた角柱に,軸力のみを加えた場合について,荷重変形関係および破壊状況を測定した。本実験では,柱断面を10cm×l5cmの一定断面として,柱のクリアスパン(5cm,10cm,13.75cm,および20cm)をパラメータとし,その影響を検討した。実験の結果,以下に示す知見を得た。1)軸方向の弾性剛性にはほとんど影響がない。2)クリアスパンが小さくなると,若干強度が上昇する。3)本実験の範囲内では,クリアスパンが大きい場合は斜めひび割れが卓越することにより破壊に至るが,クリアスパンが小さくなると縦ひび割れが卓越することにより破壊に至る。 3. 解析 実験で用いた試験体を対象にして,剛体バネモデルを用いた離散化極限解析を行った。ただし,従来法において問題とされている要素分割の影響を低減する方法についても検討を行った。解析パラメータとして,実験と同様にクリアスパンを変化させた場合,さらに柱部材とスタブの剛性の比を変化させた場合,および軸力・せん断力・曲げモーメントを同時に作用させた場合について検討を行った。解析の結果,以下に示す知見を得た。1)軸力のみを加えた場合,弾性範囲においては剛性の比の影響が見られるが,一軸圧縮強度はほとんど影響がない。2)曲げ圧縮耐力は剛性の比の影響をかなり受ける。3)本研究で行った修正により要素分割の影響は低減できる。 4. まとめ 本研究により,上記に示すような実験的および解析的アプローチから接合面における拘束効果の影響を解明するための基礎的データの蓄積が成された。本研究結果をもとに,今後,さらに詳細な検討(強度差,使用骨材およびコンクリート強度の影響等)を行うことにより,拘束効果のメカニズムを解明して行く必要がある。
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