1999 Fiscal Year Annual Research Report
置換型不規則合金の短距離秩序の非経験的評価法の確立
Project/Area Number |
10750482
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
高野 則之 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (10236250)
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Keywords | 不規則合金 / 短距離秩序 / 電子状態 / Cu-Pd / Ag-Pd / Fe-Pt |
Research Abstract |
2元系置換型不規則合金を対象として,KKR-Cluster CPA法をベースにマルコフ型の条件付き確率を用いて原子間の相関を取り入れた自己無撞着な電子状態計算プログラムを開発した.2種類の原子が隣り合う確率を変化させて結晶の全エネルギーを非経験的に計算することができる.その結果とクラスター変分法により得られるエントロピーより自由エネルギーを評価し,短距離秩序度を予測することができる. 本プログラムを用いてCu-Pd合金の短距離秩序の評価を行った結果,50at.%までの範囲でPdの増加にともなって短距離秩序を形成する度合いが増加した.これは,D.K.Sahaらの実験と一致する.しかし,高濃度側で短距離秩序パラメーターの値は実験値の半分近い値であった.今回の計算では計算機環境の制約もありKKR-Cluster CPAのクラスターサイズを4サイトで行ったが,実験値を高精度に再現するためにはもっと大きくとる必要があると考えられる.また,同様の計算をAg-50at%Pd合金について行った結果,無相関のときに結晶の全エネルギーが極小を示した.さらに,規則相を形成することが知られているFe-25at%Pt合金においては短距離秩序構造が安定であるという結果を得た.Fe-25at%Pt合金は圧力によって磁気変態を起こすことが知られているが,本計算手法を用いて短距離秩序と磁気モーメントの関連性をも検討した. 本研究により開発した計算法は短距離秩序の評価およびにその電子状態解明に有効であることがわかった.なお,定量的な精度を向上させるためにはクラスターサイズを大きくする必要があるが,そのためにはプログラムの高速化が必要である.
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Research Products
(1 results)