1998 Fiscal Year Annual Research Report
微小ソレノイドコイルを探針としたSTMでの局所磁場印加による電気抵抗測定と画像化
Project/Area Number |
10750483
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山崎 敬久 理化学研究所, 表面界面工学研究室, 基礎科学特別研究員 (60251641)
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Keywords | 渦電流法 / 走査型トンネル顕微鏡 / 画像化 / 電気抵抗測定 / ソレノイドコイル / 金属界面 / アルミニウム / 銅 |
Research Abstract |
STM(走査型トンネル顕微鏡)と同様のピエゾスキャナーに全長3mm、70巻きの微小ソレノイドコイルと直径0.3mmの先端を尖らせた鉄心とを装着し、渦電流法電気抵抗測定装置を完成させた。この装置では20nm毎のスキャンができる。測定回路は渦電流法に用いられるシグマテスターの改良型であり、同位相除去比を15:1から4000:1にすることによりプロープど試料とを非接触にて信号の変化を計測できるようにした。 試料を銅薄板の半田付部とした場合には接合界面で信号の上部下部ピークに明らかな乱れが観測された。これは接合界面部での渦電流散乱と考えられ、電気接点で用いられるような接合においても電気の流れにくい領域が存在することが分かった。 また半導体集積回路における配線によく用いられているAI/Cu冷間圧接部を試料とした場合には大きな変形が加えられているにもかかわらず界面近傍までバルクの銅やバルクのアルミニウムの電気抵抗値を示した。界面部では1μm幅の電気伝導がアルミニウムより劣る領域が存在し、その様子を画像化することができた。この試料を200℃で1時間熱処理すると、界面部で組織変化が起こる。電気抵抗は界面部の50μm幅でアルミニウムバルクの値から銅バルクの値へと徐々に変化し、界面位置の特定は難しくなった。この電気抵抗遷移領域では銅の電気抵抗が場所により大きく変化する。これはアルミニウム中への銅の拡散により銅中の原子が抜けたために起こるものと考えられる。また銅とアルミニウムとの中間程度の電気抵抗を持つ領域が10μmほど存在し、化合物層の存在を示す画像を得ることができた。
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Research Products
(2 results)