1999 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーを用いたSILAR法によるエピタキシー膜の室温合成
Project/Area Number |
10750492
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
西野 純一 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70272862)
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Keywords | 紫外線照射 / 酸化亜鉛 / SILAR法 / 酸化インジウム / アセチルアセトン錯体 / 結晶化 / c軸配向膜 |
Research Abstract |
アセチルアセトナト亜鉛とアセチルアセトナトインジウムをアセトンに溶解し,基板上にディップコートすることにより前駆体膜を作製した.大気中において,この前駆体膜にArF(λ=193nm)もしくはKrF(λ=248nm)エキシマーレーザーを用いて紫外光を照射し,酸化物薄膜を得た.ArFエキシマー・レーザー照射により合成した酸化インジウム膜においては,照射回数4000回でほぼ有機物および0H基は分解され,酸化インジウム膜の結晶化が確認できた.合成された膜の可視光透過率は80%以上であった.一方,比較としてD_2ランプ光を照射した膜においては,酸化インジウムのみではなく水酸化インジウムも生成しており,本法による紫外線照射による酸化インジウム膜の合成においては,まず水酸化インジウムが生成し,次に酸化インジウムが生成するという2つの過程をへて進行していることが示唆された.KrFエキシマー・レーザーによる紫外線照射での膜の結晶化は,部分的に膜表面が昇華していること,繰り返し周波数10Hzでは結晶化しないが15Hzでは結晶化が起ったことから,表面の局所的昇温効果であることが示唆された. ArF,KrFエキシマーレーザー照射により,酸化亜鉛についてはc軸配向膜が得られたが,0001面サファイア単結晶を基板として用いた場合でもエピタキシー薄膜は得ることができなかった.さらに,YSZ単結晶基板を用いて合成した酸化インジウム膜についてもエピタキシー薄膜を得ることはできなかった. また,SILAR法による薄膜合成については,亜鉛イオンおよびアンモニア溶液を調整し、0001面サファイア単結晶基板をこの原料溶液と蒸留水の洗浄液に順に浸漬し、大気中でエキシマレーザー照射を行い膜の結晶化を行った.しかし,現在のところ結晶性酸化亜鉛膜は得られたが,エピタキシー薄膜は得られていない.
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