1999 Fiscal Year Annual Research Report
側鎖型高分子液晶によるネットワーク形成と電気制御型変形素子の開発
Project/Area Number |
10750646
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
田中 穣 福井大学, 工学部, 助手 (20293409)
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Keywords | 高分子 / 液晶 / ネットワーク / シアノビフェニル基 / スペーサー長 / 配向性 / 構造制御 / 分子量 |
Research Abstract |
原料となるシアノヒドロキシビフェニルから二段階の反応を経て側鎖型液晶モノマーが得られることを示し、その際の反応条件を確立した。重合性を有するビニル基と液晶性を示すシアノビフェニル基との間に入れる直鎖脂肪酸の炭素数(スペーサー長)は2、6、11の三種で、この反応過程を経ることで構造制御が可能であることを示した。ビニル基としてアクリレート系のものを用いた場合と、メタクリレート系のものを用いた場合の両方を実験したがいずれの場合にも重合性のモノマーを調整できることがわかった。 得られたモノマーは複屈折を示したが流動性は示さなかったことから液晶性は得られない事が分かった。次項で示すように重合すると液晶性を持つことがわかったので、ビニル基の有無が液晶性能発現に大きく関与することが示唆された。 調整したモノマーをラジカル重合することで高分子液晶が得られることがわかった。重合条件として溶媒の選択が重要であり、トルエン/ジメチルスルホキシド=4/3の混合溶媒を用いることで分子量を高める重合が進むことが明らかにされた。さらに、モノマーと開始剤との仕込み比を100:1にすると分子量の高いポリマーが得られることがわかった。 重合したポリマーを単離・精製する際にはTHF(テトラヒドロフラン)・メタノール系の再沈殿法が有効であることが示された。しかし、当初計画にいれられていた分別沈殿法による分子量分画は溶媒の選定が複雑であり困難であることが分かった。 以上の観点で側鎖型高分子液晶材料創製のための基礎的指針を集積した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y. Tanaka, R. Kishi, Hisao Ichijo: "NMR and DSC observation of Thermotropic Nematic Liquid-Crystalline Polymer with Cyanobiphenyl group in the Side Chain"Molecular Crystals and Liquid Crystals. (印刷中).
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[Publications] Y. Tanaka, S. Takahashi, R. Kishi, H. Ichijo: "Electrorheological Properties of Liquid-Crystalline Materials containing Liquid-Crystalline Polymer of various Molecular Weights and Spacer Lengths"Molecular Crystals and Liquid Crystals.