1999 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚Langerhans細胞の分化における前駆細胞と表皮細胞の必要性に関する研究
Project/Area Number |
10770012
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
加藤 優子 東海大学, 医学部, 助手 (60246080)
|
Keywords | 培養表皮細胞 / 培養線維芽細胞 / CD34^+ / CD33^+血液前駆細胞 / GM-CSF遺伝子導入マウス / GM-CSF / ELISA / Langerhans細胞 |
Research Abstract |
平成11年度では、表皮細胞あるいは線維芽細胞がGM-CSF供給している可能性を検討するため、形成された皮膚組織、線維芽細胞、表皮細胞におけるGM-CSF産生を(1)ヒト培養表皮細胞とヒト培養真皮線維芽細胞、(2)ヒト培養表皮細胞のみ、(3)ヒト培養真皮線維芽細胞のみ、の三つの組み合わせで培養し、培養上清中のGM-CSFをELISA法にて測定した。さらに、ヒト型GM-CSFが常に分泌されているヒトGM-CSF遺伝子導入免疫不全マウス(C57BL/6J背景)への(1)血液前駆細胞(CD34^+CD33^-)単独、(2)血液前駆細胞とヒト培養真皮線維芽細胞、ヒト培養表皮細胞の移植を試み、以下の結果を得た。 (1)GM-CSF産生細胞の同定:(1)表皮細胞と真皮線維芽細胞の組み合わせでの培養上清中のGM-CSFは、291.4pg/ml(24時間培養)、616.6pg/ml(48時間培養)、438.7pg/ml(72時間培養)と高値であった。(2)表皮細胞単独の培養上清中にも、150.7pg/ml(72時間培養)のGM-CSFの産生を認めたが、(3)真皮線維芽細胞のみの培養上清中には、GM-CSFの産生は認められなかった。 (2)GM-CSF遺伝子導入マウスへの移植:(1)血液前駆細胞単独、(2)血液前駆細胞と真皮線維芽細胞、表皮細胞を移植した群ともに、ヒト皮膚組織は形成されなかった。BALB/c背景のNu-SCIDに血液前駆細胞と真皮線維芽細胞と表皮細胞を移植したコントロール群ではLangerhans細胞を有するヒト皮膚組織が形成されていたことから、マウスの系統の違いに原因があると思われた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 加藤 優子: "In vivoでの皮膚Langerhans細胞の分化・維持における皮膚構築の必要性"日本病理学会会誌. 88・1. 302 (1999)
-
[Publications] Ichiro Takakura: "An in vivo model of human skin acute graft-versus-host disease: transplantation of cultured human epidermal cells and dermal fibroblasts with human lymphocytes into SCID mice"Experimental Hematology. 27. 1815-1821 (1999)