1998 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ脳脈絡絨毛上皮細胞に存在するClチャネルのクローニングおよび電気生理学的検討
Project/Area Number |
10770021
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
鍛冶田 英俊 関西医科大学, 医学部, 助手 (90298852)
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Keywords | 脳室脈絡膜上皮細胞 / クロライドチャネル / ClC2 |
Research Abstract |
ブタ脳室脈絡膜上皮(CP)細胞をCrookらの方法を改変して培養した。パンチクランプ全細胞記録法を用いてCl電流を検討した。細胞内にcAMP依存性プロテインキナーゼの活性サブユニットを投与すると内向整流性CI電流が観察された。活性化されたチャネルの陰イオン選択性、細胞外pH感受性、Clチャネルブロッカーへの感受性を検討したところ、ラットやマウスで既に報告したチャネルとほぼ同一の電気生理学的性質を有することが明らかになった。さらにVIPを灌流することによっても内向整流性Cl電流は活性化された。 活性化されたチャネルの電気生理学的性質はJentschらのグループがクローニングし報告しているClC2に類似しているため、ClC2チャネルのアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)を作製し、カチオンリポソーム法を用いて培養CP細胞に導入した。GFPをマーカーとして蛍光顕微鏡で導入細胞を選択しCl電流を記録した。約20%の細胞にASは導入されており、GFP陽性細胞では細胞内にcAMP依存性プロテインキナーゼの活性サブユニットを投与しても内向整流性Clチャネルの活性は観察されなかった。ASと同じG/C比をもちアンチセンス作用を持たないように配列を変えたオリゴヌクレオチドではClチャネル活性は維持されていたことからASによるチャネルの消失は特異的な反応であると考えられた。以上の結果からCPに存在するcAMP依存性内向整流性ClチャンネルにCIC2が関与することが推測される。
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