1998 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞欠損マウスを用いた狂犬病ウイルスN蛋白の感染抵抗性賦子に関する研究
Project/Area Number |
10770132
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
園田 祥子 大分医科大学, 医学部, 助手 (80253780)
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Keywords | 狂犬病ウイルス / 核蛋白 |
Research Abstract |
本年度はN蛋白の免疫スケジュールについて実験を行った。 以前我々(Takita-Sonoda等1993)がBALB/cマウスで報告した投与方法(N蛋白を発現する組換えワクシニアウイルスを腹腔内投与)でC57BL/6マウスに免疫し、狂犬病ウイルス野生株の攻撃を試みたがBALB/cマウスで得られた防御効果はC57BL/6マウスでは見られなかった。これはC57BL/6とBALB/cの系統差によって狂犬病ウイルスに対する感受性に違いがあると思われるため、さらに強力な免疫誘導方法を試みた。その結果、N蛋白を発現する組換えワクシニアウイルスとN蛋白を発現する組み換えバキュロウイルス感染昆虫細胞破砕液を組み合わせて免疫することで、狂犬病ウイルス攻撃後約80-90%の生存率を得た。 この免疫スケジュールでB細胞欠損マウス(μMTマウス)と免疫正常マウスC57BL/6マウスにN蛋白を免疫後、狂犬病ウイルス野生株を攻撃し感染抵抗性を調べた。その結果、生存率は、欠損マウス:0%、正常マウス:87%であり、明らかに抗体を産生できないμMTマウスは感染防御できなかった。免疫血清の抗N抗体価は、現在のところCVS感染神経芽腫細胞を用いた間接蛍光抗体法で確認しており、欠損マウス:10倍以下、C57BL/6マウス:約400-800倍の抗体価を得た。 この免疫によってマウスに細胞性免疫が働いているかの確認については、現在検討中であり、リンパ球増殖試験、サイト力イン測定の条件について実験を進めている。
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