1999 Fiscal Year Annual Research Report
マーカー遺伝子導入微小肝癌モデルを用いた肝癌免疫予防の試み
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10770225
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
安村 敏 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (90283085)
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Keywords | 肝細胞癌 / NK細胞 / Lac Z遺伝子 / 免疫療法 |
Research Abstract |
本年度は、マーカー遺伝子(Lac-Z遺伝子)を組み込んだ培養癌細胞株を用いて作成したマウスの微小癌モデルにおいて、早期転移性肝癌の進展の観察と、癌巣に浸潤して癌を破壊する特徴を有するヒト活性化NK(ANK)細胞を用いた早期転移性肝癌に対する免疫治療を試みた。 実体顕微鏡による観察では、腫瘍投与1時問後に門脈系にLac-Z遺伝子導入癌細胞が見られ、3日後には肝内の転移巣が認められた。その後経時的に転移癌が増大していく過程が観察された。組織学的検索では、腫瘍投与後1時問後に、長く変形した癌細胞が多数類洞に認められた。4時間後には、癌細胞は肝実質に進入し、24時間後に2個に分裂した癌細胞が観察された。投与4日後には、10-20個の細胞からなるmicrometastasisとして認められ、その後は経時的に増大した。 無治療群またはIL2単独投与群に較べて、ANK細胞投与群では、有意にmicronoduleの形成は抑制された。また、組織内での観察でも残存したmicronoduleは著明に減少していた。以上より、Lac Z遺伝子導入細胞が、転移癌の早期の治療効果判定に有用であり、さらにANK細胞による免疫治療が早期の肝転移癌の治療に有効であることが示された。 癌細胞のX-gal染色による検出は、特異度が高く、また鋭敏であるため、従来の方法では観察が困難であった、極めて早期の肝転移巣を組織内で検出することが可能であった。またこのシステムは転移癌の早期の治療効果判定に非常に有用であり、さらにANK細胞による免疫治療が肝転移癌の治療に有効であることが示された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Atarashi, Y.: "A novel human tumor necrosis factor-α mutein, F4614, inhibits in vivo and in vitro growth of murine hepatoma MH134: Implication for immunotherapy of human hepatoma."Hepatology. 28. 57-67 (1998)