1998 Fiscal Year Annual Research Report
plasmidを用いたIL-10遺伝子の大腸粘膜導入による大腸炎の抑制
Project/Area Number |
10770235
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
坂 充 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70271153)
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Keywords | TNB誘発ラット大腸炎モデル / 遺伝子導入 / 免疫活性作用(immuno stimulatory sequence) |
Research Abstract |
1) ラット大腸粘膜に、経肛門的にβ-ガラクトシダーゼ(β-gal)をコードするLac Z遺伝子を組み込んだplasmidであるpACB-Zを接触させることにより、大腸粘膜にβ-galが発現することを確認した。 2) ラット大腸粘膜にインターロイキン10(IL-10)のcDNAを組み込んだplasmidであるpCMV-IL-10を導入したところ、導入部位の大腸粘膜に肉眼的および組織学的に変化を認めなかった。 3) 上記2)で用いたpCMV-IL-10をラット大腸粘膜に導入した後、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNB)を経肛門的に注入しTNB誘発大腸炎モデルを作製したところ、pCMV-IL-10を導入していないTNB誘発大腸炎モデル群と比較して大腸炎の増悪が認められた。 4) pCMVは炎症性サイトカインを増加させるCpG motifをもつimmuno stimulatory sequence(ISS)を有するplasmidであることから、ISSを多く含むplasmidであるpACBとISSを失活させたメチル化pACB(mpACB)を用いてTNB誘発大腸炎モデルを作製した。plasmid未導入群とmpACB導入群とpACB導入群で、病変の肉眼的評価を点数化したところ、それぞれ3.23±1.64、3.57±1.81、4.38±1.19であり、群間に有意差を認めなかった。組織学的評価ではそれぞれ4.92±3.14、6.28±3.19、7.53±3.28で、plasmid未導入群とpACB導入群の間に有意差を認めた(p<0.05)。 以上より、ISSが大腸炎の増悪に関与することが示唆された。
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