1998 Fiscal Year Annual Research Report
皮神経刺激による感覚入力が運動コントロールへ及ぼす影響について-TASKによる差
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10770281
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鯨井 加代子 山形大学, 医学部, 助手 (20301070)
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Keywords | 磁気刺激 / 感覚運動野 / 末梢神経 |
Research Abstract |
1) Taskによるcutaneomuscular reflexの変化について:同意の得られた健常成人5名のcutaneomuscular reflexを記録し、手指の運動(TASK)による違いを検討した。右第2指の皮神経を感覚閾値の3倍の強度で刺激し、第一背側骨間筋においてberry-tendon法を用い、表面筋電図の整流波形の平均加算を求めた。手のTASKは、第2指の外転、握りの二種類とし、両者の背景表面筋電図と音響レベルが一定になるようにした。E1,I1,E2の各成分が記録された(それぞれ脊髄興奮成分、脊髄抑制成分、皮質成分に由来するといわれている)。外転動作では、握り動作に比較し大脳皮質成分とされるE2成分の増大が認められた(p<0.05)。 2) 次に、皮神経入力が、大脳誘発電位(MEP)へ及ぼす影響とTASKによる変化をみるため、皮神経刺激(C)を径頭蓋的磁気刺激法による磁気刺激(T)に先行させMEPを記録した。皮神経入力(C)を0 timingとし、10-90msまでCとTの時間間隔(conditioning-test interval(CTI))を変えた。CTI35-40msにおいてMEPの抑制が認められ、50-55ms以降において興奮が認められたが、外転動作において、特に増大傾向が認められた(p<0.05)。磁気刺激を電気刺激に置き換えた場合、感覚入力による増大は認めなかった。 3) 2)の結果より、CTI50msにおいてPSTH(peristimulus time histogram)による検討を行った。75ms前後にピークが認められ、感覚入力を行うとにこのカウントピークの増大が認められた。特に外転動作時、ピークの増大が認められた。磁気刺激を電気刺激に置き換えた場合、感覚入力によるピークの増大は認められなかった。 Cutaneomuscular reflexの皮質成分であるE2成分は、TASKにより変化し、外転動作で特に増大が認められた。磁気刺激法による検討から、皮神経入力による運動下行路への促通は、大脳皮質レベルが関与している可能性と、TASKによる違いが示唆された。
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