1999 Fiscal Year Annual Research Report
皮神経刺激による感覚入力が運動コントロールへ及ぼす影響について-Taskによる差
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10770281
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鯨井 加代子 山形大学, 医学部・臨床検査医学, 助手 (20301070)
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Keywords | 感覚入力 / 大脳運動野 / TASK / 経頭蓋的磁気刺激検査 |
Research Abstract |
背景と目的:前年度の研究から、手指皮神経刺激が、刺激後50-60msにおいて、大脳運動野の興奮性を増し、下行性volleyを増加させることが示唆された。この感覚入力の効果は、運動Taskによって影響を受け、巧緻運動であるprecision gripの方が、単なるpower gripより、大脳運動野の興奮性を増した。これらの事から、感覚入力が、運動野を介し、最終的な筋活動へ及ぼす影響を調べるため、皮神経入力時の、target muscleの速度、加速度の変化について検討した。 方法:同意の得られた健康成人5人を対象に、右第一背側骨間筋を記録部位とし、第2指に感覚閾値の3倍の強度で皮神経刺激を先行させ、50ms後に経頭蓋的磁気刺激を加えた。Taskは、第2指の外転(AB)と握り(GP)とした。ポテンシオメーターを用いて測定ユニットを構成し、表面筋電図と筋活動のforceをモニターし一定となるようにした状態で、筋活動のvelocity,accelerationを測定した。 結果:ABにおいて、motor evoked potential(MEP)の潜時は、皮神経刺激時を0msとすると72.5-75ms、Velocityは、立ち上がり潜時が平均72.6ms,ピークが118.8ms,accelerationは、それぞれ67.2ms、103.2msだった。GPと有意な差はなかった。ABでは、velocityは、最大ピーク比で、皮神経刺激時、1.6±0.29倍、accelerationは、1.77±0.1倍の増加を認めた。GPでは、皮神経刺激時、velocityは0.95±0.29倍、accelerationは、1.2±0.17倍だった。ABにおいてのみ、皮神経刺激時、有意なvelocityとaccelerationの増加が認められた。 結論:皮神経刺激は、皮神経入力後、50msにおいて、AB task時、大脳運動野の興奮性を増す。この時間帯においては、その結果、末梢筋活動のvelocity,accelerationを増加させ、運動にpositiveに働くと考えられる。Precision gripの方が、この効果を受けやすく、運動コントロールに影響を与えていると推察された。
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Research Products
(1 results)