1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770296
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
谷田部 加奈 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00297467)
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Keywords | 炎症性筋疾患 / 多発筋炎 / 皮膚筋炎 / 血管病変 |
Research Abstract |
炎症性筋疾患(多発筋炎PM,皮膚筋炎DM)の病因には自己免疫的機序が関わっていると考えられている.炎症性筋疾患における免疫学的研究は主として浸潤細胞の表面マーカーを用いた検討か大多数であり,病態に関与する循環障害を生じる微小血管病変についての研究は殆どみられない.毛細血管変化の特徴を明らかにすることにより炎症性筋疾患の病因を検討した. 対象はPM19例およびDM11例.凍結生検筋で一般組織学的染色,Ulex europaeus agglutinin I lectin(UEA1)染色,免疫染色(C5b-9,Tcell(CD4・8),B cell)を施行した.筋内毛細血管の形態変化,単位面積あたりの分布・血管数,血管外径等を計測,また,免疫染色所見を比較した. PM、DMともにUEAlで筋内血管内皮細胞がほぼ全て認識され,いずれでも10μm以上の血管を筋束内に認めた.PMではC5b-9で認識された血管は認められなかった.DMではC5b-9で筋周鞘の血管の一部か認識されたが,筋内鞘の大径化した血管は認識されなかった.大径化した筋内血管が目立つPM,DMでは浸潤細胞にCD4陽性細胞が多い傾向が認められた. PM,DMともに筋内血管の大径化を認めた.従来の報告通り,DMで大径化した血管が筋束内に存在することは循環障害の結果と考えられた.それに加え,血管内皮細胞は炎症・免疫による変化をうけやすいため,PMでも大径化した血管が存在すると推測され,微細構造も含めた検討の継続が必要と思われた.
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