1999 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴映像法における、心電図呼吸同期下3次元データ収集による冠動脈の摘出
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10770314
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
半田 暁司 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (90295816)
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Keywords | MRI / MRCA / Navigator Echo |
Research Abstract |
Navigator echoを用いた3D MRCAでは、呼吸同期下に3Dでデータを収集して撮像を終了し、後から任意の断面や曲面上の画像をコンピュータで再構成して表示する方法であり、息止めを必要とせず、撮像中に体を動かさなければ高齢者にでも適応可能である。今回我々は高齢者でこの方法を用いて主要冠動脈を撮像し、描出率を検討した。 対象は心臓病の既往のない65歳以上の高齢者15例である。MRI装置はMAGNETOM vision 1.5Tesla超伝導型で、CP body array coilによりラジオ波を受信した。Navigator echoを用いたパルス系列で、心電図同期、横隔膜の動きを指標とした呼吸同期下にデータ収集を行った。スラブの厚さは50mmで、2回の撮像で冠動脈の#1、#2、#5、#6、#11が入るように設定し、2mmスライスで3Dで撮像した。撮像終了後、冠動脈を断面上、あるいは曲面上に描出されるように画像を再構成した。対象とした冠動脈のsegmentの半分以上が描出されたとき、描出可能と判断し、描出率を検討した。 MRIの撮像時間は位置決めの撮像開始から終了まで25分以内であった。対象とした冠動脈#1、#2、#5、#6、#11は全例で描出されたが、症例によっては画像再構成で冠動脈の信号強度に変化を生じることがあった。画質については、息止め下に撮像する従来の方法よりも悪い傾向にあったが、従来の方法では息止めがうまくできない例ではしばしば冠動脈の評価が困難であったが、今回の方法では評価が困難な例は少なかった。 冠動脈造影を施行しがたい高齢者においても非侵襲的に主要冠動脈の描出が可能であり、有用な方法となり得るが、パルス系列の改良の余地もあると考えられた。
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