1999 Fiscal Year Annual Research Report
副腎におけるカルシウム/カルモジュリン依存性カルモジュリンキナーゼIIの役割
Project/Area Number |
10770315
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
大森 久司 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50301437)
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Keywords | CaMKII / 高血圧 / 副腎 |
Research Abstract |
高血圧患者では、副腎髄質からのカテコラミン分泌亢進が考えられ、SHR-Izmを用いた寒冷昇圧では、副腎からのエピネフリン分泌亢進が報告されている。しかし、副腎からのカテコラミン遊離は、不明な点も多い。副腎髄室からのカテコラミン分泌におけるCa2+/カルモジュリン依存性カルモジュリンキナーゼII(CaMkinaseII)の機序、および高血圧自然発症ラット(SHR/izm)における副腎からのエピネフリン放出増加へのその関与を明らかにすることを目的とした。 平成10年度の研究において、生理学的実験からSHR-Izmにおける副腎からのエピネフリン放出増強には、CaMkinaseIIの作用増強が関与していること、ラット副腎髄室において、CaMkinaseIIのαとγsubunitのm-RNA発現を確認した。 今年度は、副腎随室におけるCaMkinaseII αsubunitとsynapsinIタンパク発現について、各抗体を用いてWestern Blotを行った。Wistar,WKY,SHRともに各タンパクの発現を確認した。しかし、各ラット間にタンパク濃度の差は確認されなかった。 以上より、副腎髄質からのカテコラミン分泌にはCaMkinaseIIが関与していることが明らかになった。さらにCaMkinaseIIの作用が亢進しカテコラミン分泌を増強しているていることが高血圧発症メカニズムの一つと考えられた。
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