1999 Fiscal Year Annual Research Report
心肥大作用を有する白血病抑制因子で誘導される新規心肥大関連遺伝子のクローニング
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10770322
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
伊藤 清治 社団法人 北里研究所, 北里研究所病院, 内科研究員 (10255440)
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Keywords | 心肥大 / 白血病抑制因子 / cMG1 / ERF-1 / ラット培養心筋細胞 / 細胞内情報伝達系 / 機械的伸展刺激 / 大動脈圧負荷 |
Research Abstract |
昨年度までの研究では、ラット新生児培養心筋細胞にLeukemia Inhibitory Factor(LIF)を投与し、心肥大を惹起させた際に、発現が変化(増加あるいは減少)する遺伝子をdifferential display法を用いて検索した。遺伝子データベースで検索したところ、いくつかは既知の遺伝子との相同性が高かったが、既知の遺伝子との相同性が低く未知の遺伝子と考えられるものもあった。既知の遺伝子としてcalcyclin,thymosin beta-4,IGFBP-4,cMG1/ERF-1などが得られた。 このうちcMG1/ERF-1はその構造から転写調節因子と考えられており、心肥大との関連について詳細に検討を行った。LIFによる本遺伝子の誘導は刺激30分後に最大となり、さらにLIFの濃度依存性に増強した。細胞内情報伝達系の阻害薬を用いた検討では、主にJAK2阻害薬であるAG490でその発現が抑制された。アンジオテンシンII、フェニレフリン、エンドセリン-1などのLIF以外の心肥大惹起因子でも、本遺伝子の発現が増強された。培養心筋細胞に機械的伸展刺激を加えた際にも発現が増強し、さらにラット大動脈圧負荷モデルによっても発現が増強することが確認された。このようにcMG1/ERF-1遺伝子がさまざまな心肥大刺激により誘導されることを確認した。 一方、未知の遺伝子については全長の塩基配列の決定を行い、現在その機能について解析中である。
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Research Products
(1 results)