1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫のアポトーシス及び増殖細胞比率と生物学的特性との相関
Project/Area Number |
10770346
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
川上 哲夫 鳥取大学, 医学部, 助手 (30252844)
|
Keywords | 神経芽腫 / アポトーシス / PCNA / Shimada分類 |
Research Abstract |
神経芽腫のkaryorrhectic cellの意義をみるため,神経芽腫組織のアポトーシス細胞と増殖細胞を免疫組織化学染色した.アポトーシス細胞が10/10,000細胞以上であったのは病期Iでは2/29例,病期IIでは2/18例,病期IIIでは0/11例,病期IVでは3/21例,病期IVSでは2/10例であった.この内Shimada分類でunfavorable histologyと判定されたのは病期IVの2例で,いずれもhigh MKIの症例であった.増殖細胞比率に関しては現在までに得たデータではunfavorable histologyで,high MKIの症例ほど高い数値である.しかし増殖細胞はkaryorrhectic cellとは一致しない.(詳細は現在検討中である)アポトーシス細胞はj形態学的には一部はkaryorrhectic cellであるが,そうではない細胞が大半である.またhigh MKI症例に関しては,karyorrhectic cellは200/5,000細胞以上であり,アポトーシス細胞はそのような高頻度では出現しないことを考えると,少なくともkaryorrhectic cell=アポトーシス細胞ではないものと考えられる.従ってkaryorrhectic cellはnecrosisでもない,アポトーシスでもない,第3の細胞死の在り方である.現時点ではがん遺伝子であるNmycが大量に転写されることにより引き起こされるDNAの不安定性が細胞死につながっているのではないかと考えられる.
|