1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770347
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
田草 雄一 島根医科大学, 医学部, 助手 (10263534)
|
Keywords | ピログルタル酸尿症 / グルタチオン合成酵素 / 5-オキソプロリナーゼ / GC / MS / 尿中有機酸分析 / グルタチオン回路 |
Research Abstract |
平成11年度以下の研究を行った. (1)ピログルタル酸尿症の原因酵素の活性測定:本疾患の欠損酵素として、グルタチオン合成酵素と5-オキソプロリナーゼとが知られている.グルタチオン合成酵素欠損症が尿中排泄量が多く、持続的にオキソプロリン尿症を呈する.5-オキソプロリナーゼ欠損症では排泄量が比較的軽度で、症状も軽い、本研究で病因解明をはかってきた症例は両方ともに臨床的には重篤であった.そこで本年度、グルタチオン合成酵素の活性測定系を検討した.培養皮膚線維芽細胞を用いて放射性同位元素[14C]-グリシンから精製される[14C]-グルタチオンを測定する高感度測定法を確率した.酵素活性測定の結果は、尿中5-オキソプロリンの著明な排泄増多を呈した2症例ともに酵素活性の低下は認めれなかった.したがって、この2症例はグルタチオン合成酵素欠損ではなかった. (2)グルタチオン合成酵素欠損の遺伝子解析:cDNAのダイレクトシークエンスを行った.全長1.4kbのうち303-381を除いて解析できた1症例では異常を認めなかった. (3)今後の課題:当教室ではGC/MSを用いた尿中有機酸分析を全国的に行っておりピルグルタル酸尿症を呈する新たな症例に遭遇した時、グルタチオン合成酵素の活性測定、遺伝子解析を行っていくことが可能となった.また正常活性を有する症例については、オキソプロリン尿症の発症メカニズムを明らかにするための新しいプロジェクトが必要である.
|
Research Products
(2 results)