1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770348
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
溝口 信行 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50274080)
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Keywords | ガラクトース血症 / マス・スクリーニング / 赤血球中ガラクトース分画 / 門脈-大循環シャント |
Research Abstract |
1. 平成10年度の広島県におけるガラクトース血症マス・スクリーニング要精検者は59名(ボイトラー法11名,ペイゲン法48名)である(平成11年3月1日現在).新生児期に高ガラクトース血症を呈したもの,すなわちペイゲン法陽性者は全例,精査のために当小児科を受診した. 彼らの現時点での診断は,一過性高ガラクトース血症29名,エピメラーゼ欠損症保因者14名,トランスフェラーゼ欠損症保因者3名,肝機能異常1名,肝血管腫による門脈-肝静脈シャント1名である. 2. 当科初診時の血漿ガラクトース,赤血球中ガラクトース分画についての検討では,エピメラーゼ欠損症保因者で,赤血球中ガラクトース1リン酸・UDPガラクトースの高値を認めたほかは差を認めなかった.肝血管腫の症例の血漿ガラクトース値は日内変動が大きく,シャントによる高ガラクトース血症の特徴と思われた. 初診時の血清総胆汁酸値は個人差が大きく,正常対象でも8-117μmol/Lと広い範囲に分布した.経過中,シャント例では高胆汁酸血症が持続したが,その他の症例では生後1カ月過ぎには総胆汁酸値は低下した. 3. 追跡調査では,近年話題になっている門脈-肝静脈シャントによる脳MRIの変化(淡蒼球のT_2高信号化)についての検討を行いたい.今回は,成因の一つと疑われているマンガンの動態に関する検討を予定している.
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