1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770348
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
溝口 信行 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50274080)
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Keywords | ガラクトース血症 / マス・スクリーニング / 血中ガラクトース分画 / 門脈-肺静脈シャント |
Research Abstract |
1. 平成10・11年度の広島県におけるガラクトース血症マス・スクリーニング要精検者は126名(ボイトラー法17名,ペイゲン法109名)であった. 新生児期に高ガラクトース血症を呈したもの,すなわちペイゲン法陽性者の全例が当小児科を受診したが,その診断の内訳は,一過性高ガラクトース血症59名,エピメラーゼ欠損症保因者34名,トランスフェラーゼ欠損症保因者7名,肝機能異常6名,門脈-肝静脈シャント2名であった. 2. 当科初診時の血中ガラクトース分画について検討した。対照に比し,赤血球中ガラクトース1リン酸は全ての群で上昇していたが,血漿ガラクトース値はシャント例でのみ高値を示した.赤血球中UDPガラクトースとUDPグルコースは,エピメラーゼ欠損症保因者のみそれぞれ増加,減少していた.シャトル例での血漿ガラクトース値は日内変動が大きく,シャントによる高ガラクトース血症の特徴と思われた. 初診時の血清総胆汁酸値は個人差が大きく,対照新生児においても8-117μmol/Lと広い範囲に分布した.全経過を通じてシャント例では高胆汁酸血症が持続したが,その他の症例では生後1カ月過ぎには総胆汁酸値は低下した. 3. 当科で追跡しているシャント・ガラクトース血症の3例について脳MRIを撮影したが,いずれも,T_1強調像での淡蒼球の高信号化を認めた.それぞれの症例では血中マンガン値は高値をとっており,シャント例では乳糖以外の食事療法も必要な可能性がある.
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