1999 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤内皮細胞による未分化造血維持、増幅に関する研究
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10770369
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 陽子 東京慈恵会医科大学, 小児科学, 助手 (10194862)
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Keywords | 胎盤由来内皮細胞 / 臍帯血由来造血幹細胞 / 骨髄 / CD34+ / SCID mouse |
Research Abstract |
平成10年度胎盤由来内皮細胞とその臍帯血由来造血幹細胞を接触させることにより両者の相互作用について検討した。胎盤血および正常骨髄より単核球を分離し、18時間培養する。その後浮遊細胞を除去する。同時に臍帯血由来造血幹細胞を単核球よりCell Pro カラムを用いてCD34+細胞を分離した。胎盤あるいは骨髄接着細胞、培養液のみと臍帯血由来CD34+造血幹細胞を共培養した。3日間培養した後細胞数、CD34+陽性細胞の数を比較したところ、CD34+陽性細胞は胎盤由来内皮細胞上で3.9±1.4倍に増幅されたが細胞数は1.2±0.4倍と変化を認めなかった。一方CD34+陽性細胞は骨髄由来内皮細胞上で1.5±1.4倍に増幅されたが細胞数は10.8±3.6倍と著増した。それぞれの細胞の形態変化をみると、骨髄は造血幹細胞を分化誘導する傾向を示したが、胎盤は分化誘導することなくCD34+陽性細胞を増幅することができた。 平成11年度胎盤組織の一部0.5x0.5cmを無菌的に摘出。同時に同胎盤より臍帯血を10ml採取した。胎盤組織をメッシュで濾し、単核細胞を分離した。生後6-8週のSCID mouseに放射線照射し、エーテル麻酔し脾臓に胎盤組織由来細胞と同胎盤由来臍帯血単核球を注入した。4-8週後マウスをsacrificeし、脾臓,肝臓、骨髄より単核球を分離し、フローサイトメトリーでヒト造血幹細胞の割合を比較したところ、CD34+細胞は脾臓と骨髄で認められたが、胎盤組織の有無は生着に関係なかった。
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