1998 Fiscal Year Annual Research Report
成人期アトピー性皮膚炎患者におけるグルココルチコイド受容体の研究
Project/Area Number |
10770404
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
尾本 光祥 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00242975)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / グルココルチコイド受容体 |
Research Abstract |
成人期アトピー性皮膚炎症例の中にステロイド外用剤を用いた治療に抵抗を示す症例がしばしば存在する。この抵抗の程度は症例によってまちまちであり、また成人期アトピー性皮膚炎の難治例の多くはその臨床経過中に多種のステロイド外用剤を長期間にわたり使用している場合が多い。他科領域からはこれまでにグルココルチコイド受容体の個体間差異、ステロイド剤によるグルココルチコイド受容体のdown regulationについて多くの報告がなされているが本症の成人難治例にってはそれらが検討された報告はない。そこで我々はステロイド外用剤を用いた治療に抵抗を示す成人期アトピー性皮膚炎症例におけるグルココルチコイド受容体の量的なあるいは質的な変化を調べることを目的とした研究計画を提出し、奨励研究A10770404として採用された。 第1年度の本年は当研究の基礎研究として、グルココルチコイド受容体の個体間差異について正常成人末梢血単核球を用い検討した。なおグルココルチコイド受容体の検討についてはRT-PCRを用いた半定量法を用いることとした。1.正常成人ボランティアより末梢血を採取し末梢血単核球を分離した。2.末梢血単核球よりtRNAを抽出しmRNAを分離した。3.半定量的RT-PCR法を用い、グルココルチコイド受容体mRNAの発現を検討した。4.グルココルチコイド受容体βなどのアイソフォームについても同様に検討した。その結果正常成人においても個体間に受容体mRNA発現量の差異があること、アイソフォームも含め質的差異があることが判明した。 第2年度はこのデータをもとに難治性アトピー性皮膚炎症例において同様の検討を行い正常成人のそれと比較検討を行う。この結果をふまえて研究発表を行う予定である。
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