1998 Fiscal Year Annual Research Report
色素性乾皮症モデルマウスにおける紫外線発癌予防に関する研究
Project/Area Number |
10770430
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
堀木 聡 関西医科大学, 医学部, 助手 (40298881)
|
Keywords | サンスクリーン / 色素性乾皮症モデルマウス / 光発癌 / 光老化 |
Research Abstract |
目的 色素性乾皮症(以下XP)患者の遮光指導に資するため色素性乾皮症モデルマウス(XPA遺伝子ノックアウトマウス 以下XPマウス)を用いてサンスクリーン剤のSPF値と紫外線免疫抑制防御能,紫外線発癌抑制能を比較検討した。 方法 XP -/-マウス背部にサンスクリーン剤を2mg/cm^2塗布後 B紫外線を1回照射量20から40mJ/cm^2まで漸増,計24週間,71回,2.6mJ/cm^2照射し,紫外線発癌を誘発,さらにサンスクリーン剤を塗布後,UVB照射(40mJ/cm^2)し,1%DNFBで感作することで紫外線免疫抑制防御能を測定した。 結果 紫外線発癌抑制効果について,SPF10塗布群は平均1.75個/匹, SPF60塗布群で平均0.143個/匹(非塗布群では平均8.5個/匹)と,高SPFサンスクリーン剤は低SPF値のものより紫外線発癌を有意に抑制した。紫外線免疫抑制防御能では,非サンスクリーン塗布-/-マウスでは非照射群で80.6%抑制に対し,SPF60では47.6%, SPF10では60.0%と,両者とも部分的防御にとどまった。 結論 高SPFサンスクリーン剤外用は低値よりも強力な紫外線発癌抑制効果が得られた。 今後の課題 シクロブタン型ピリミジンダイマー形成をDNA章害の指標SPF値とサンスクリーン剤のDNA防御能の関係を比較検討,さらに光老化に与える効果も併せて検討する予定である。
|