1998 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍随伴性天疱瘡におけるエンボプラキンとペリプラキンの関与の検討
Project/Area Number |
10770431
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
清川 千枝 久留米大学, 医学部, 助手 (00197740)
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Keywords | エンボプラキン / ペリプラキン / paraneoplastic pemphigus |
Research Abstract |
今回、表皮抽出液と抗エンボプラキン抗体、抗ペリブラキン抗体を用いた実験結果から、エンボブラキン、ペリプラキンはそれぞれ210kD抗原と190kD抗原と同一であることがわかった。210kDデスモブラキン抗体を用いた210kDデスモプラキン2では、エンボプラキンとは異なった移動度を示していた。次に、免疫プロットと免疫沈降を組み合わせたコンビネーション法を用いて実験を行った。PNP血清より得られた蛋白を用いた免疫プロットで、エンボプラキン特異的抗体と反応させると、表皮抽出液を用いたプロットと同様にエンボプラキンと同様の移動度を示していた.またベリプラキン抗体を用いたプロットでも同様にペリブラキンが検出された。通常の免疫沈降法でも、210kDPNP抗原はエンボブラキンと、190kDPNP抗原はペリプラキンと同じ移動度を示すことがわかった。さらに、210kD蛋白はデスモプラキン2とエンボプラキンの2本のバンドよりなることが確認された。PNP血清を用いた免疫沈降法では、250kD,230kD,210kD,190kD,170kD蛋白が検出され、ヒト表皮抽出液を用いた免疫ブロットでは、210kD蛋白、190kD蛋白のみが検出された。この結果からは、実際にPNP血清と反応する蛋白は、210kD蛋白と190kD蛋白のみで、他の蛋白はcomplexを作るため免疫沈降されることが仮定される。しかし、デスモプラキンとBP230は免疫複合体を作らず、いくつかのPNP血清では、免疫プロット法でもエンボプラキンと同程度にデスモプラキンあるいはBP230が検出される.やはり、PNP患者血清ではいくつかのメカニズムと、デスモプラキンやBP230の構造に依存して、抗体産生が行われるのかもしれない。これまでの蛋白は、2次的な抗原の可能性が高いと考えられ、今後さらに検討が必要と考える。
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