1998 Fiscal Year Annual Research Report
フローファントムを用いたパワードプライメージの評価(微小気泡による増強効果について)
Project/Area Number |
10770446
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
藤原 良将 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50274387)
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Keywords | フローファントム / カラードプラ / PI / ATI |
Research Abstract |
本年度実験計画として超音波造影剤を使用した増強効果について評価解析を予定していたが、種々の事情により超音波造影剤の市販が遅れており、このことを鑑みて、本年度は予備的実験として血管硬化が拍動流に与える影響をフローファントムにて再現し評価した。基礎実験として回路上に拍動流を再現しPI,ATIについてその数値に影響を及ぼすと推察される因子(血管の硬さ,狭窄)を変化させたフローファントムを使用し、その影響について検討した。ファントムの構成と機器は下記のとおり。基本的構成はリザーバとシリコンチューブを利用した疑似血管回路である。疑似血管としてシリコン,ビニル,ポリエチレン(径5mm)などを使用し回路の硬化,狭窄がPI,ATIに与える影響につき検討した。回路には疑似血液(doppler test fluid GENEREX社製)を流し、これをドプラ診断装置(GE横河メディカル社製LOGIQ700ドプラ診断装置)で観察する。拍動流発生の駆動ポンプとしてCobe-Stockert.社製人工循環ポンプを使用する。観測された画像データ解析、保存用にパーソナルコンピュータ(PB 2400c等)を使用した。遠位側の血管硬化modelにおいてはPI,ATIは上昇し,血管の硬化性変化はPI,ATIを上昇させる要因となることが示唆された。狭窄modelに関しては狭窄の中枢側の測定にてPI,ATIは低下したが,この実験系は機器の制約上,流量を一定にして狭窄部を変化させたもので90%狭窄時には最高圧が,300mmHgを越えており,生体内の血行動態をそのまま反映しているとは言い難いと思われる。結論としてphantom modelでは遠位側の血管硬化、狭窄性変化はPI,ATIの規則的な変化の一因となることが示唆された。今後の症例の蓄積で加齢による血管硬化、狭窄が種々の指標にに反映する可能性はあるものと思われる。
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