1998 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病陰性症状に関与する遺伝子発現の解析(薬物投与モデルを用いた検討)
Project/Area Number |
10770492
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
勝元 栄一 大阪市立大学, 医学部, 助手 (90271189)
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Keywords | 精神分裂病 / メタンフェタミン / フェンサイクリジン / 陰性症状 / 遺伝子発現 / RAP-PCR |
Research Abstract |
1) 生後8週齢雄性のddYマウスにフェンサイクリジン(PCP)およびメタンフェタミン(MAP)を10mg/kgにて一日一回14日間連続皮下注射を行った。生理食塩水14日間連続投与群および無処置群も作成した。 2) 薬物最終投与から24時間後に断頭し、全脳よりtotal RNAを抽出した。 3) Total RNAから18塩基対のランダムな塩基配列のプライマー(15種類)と逆転写酵素を用いてcDNAを合成した。次いでcDNAと同種のプライマー、[^<33>P]-dATP、dNTPを用いてPCRを行った(RAP-PCR法)。PCR産物を変性ポリアクリルアミドゲルで電気泳動を行い、オートラジオグラフィーし、PCP投与群において他の3群より明らかにシグナルの増強または減弱したバンドを切り出し、TEバッファーに溶出し、2nd PCRを行い、アガロース電気泳動によってシングルバンドであることを確認した。今回の研究では13種類のcDNA断片が得られた。 4) cDNA断片をクローニングベクターpBluescript II SK(+)に挿入し、シークエンシング、ホモロジーサーチを行った。edg-1、cordon blue、elF-4A、arylhydrocarbon receptorなどの遺伝子やミトコンドリア遺伝子などと相同性が高いものがあった。また、既存の遺伝子と殆ど相同性のないものも5種類あった。 5) 平成11年度の研究では、cDNA断片の挿入したプラスミドからRNAプローブを作成し、RNase protection assayを用いてPCP投与群が他の3群と較べ、差異があるのかを確認する。有意な変化を示したものについて、(1)in situ hybridizationにより脳での発現局在の検討、(2)RNase protection assayにより臓器特異性の検討、(3)完全長のcDNAを獲得し、一次構造を決定、などを予定している。
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