1998 Fiscal Year Annual Research Report
ベンゾジアゼピン系薬物の眠気および精神運動機能に対する影響
Project/Area Number |
10770493
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
貞國 太志 北里大学, 医学部, 助手 (40255302)
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Keywords | ベンゾジアゼピン系 / 血中濃度 / 記憶の障害 / 眠気 / 注意機能の障害 |
Research Abstract |
今年度は、健常成年男子6名を被験者とし、試験の目的・方法・試験薬剤の特徴、起こりうる副作用について説明を行い、書面による参加の同意を得た。ジアゼパム10mg,ロラゼパム2mg、およびプラセボをそれぞれ2名ずつ1回服用してもらい、radiorecepter assay法により、血中濃度の測定を行いジアゼパムでは50分後に最高血中濃度に達し、ロラゼパムでは、2時間後に最高血中濃度に達した。またいずれの薬剤にても漸減的に血中濃度は減少、ジアゼパムでは、23時間後にほぼ半減し、ロラゼパムでは、12時間後に半減し、いずれも32時間後には、ほぼ消失した。 また服用前、服用後1、2、4、6、8、12、23、32時間後にStanford Sleepness Scale、関西学院大学眠気調査用紙の2種類の調査票で自覚的眠気調査を行い、さらにWord recall test、Sternberg's memory scanning task、Letter canellation taskなどにより短期記憶、長期記憶、および注意機能に対する影響を調べた。 長期記憶に関しては、服用後の記憶がロラゼパムで有意により強く障害され、ジアゼパムでも記憶の障害がみられた。また短期記憶に関しては、有意な差が見られなかった。注意機能の障害は血中濃度と相関し、眠気については、必ずしも血中濃度と相関せず、血中濃度が低下し体外に排出されたと考えられる時間でも、眠気は残存するという結果が得られた。 以上のことにより、記憶の障害は、記憶の獲得と固定の過程であること、力価が強く半減期の短い薬剤がより記憶の障害をもたらすことなどが得られた。次年度は再度試験を行い、短期記憶の障害について検討する予定である。
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