1999 Fiscal Year Annual Research Report
新生児呼吸・脳,循環調節機能に及ぼす高炭酸ガス症の影響
Project/Area Number |
10770542
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
依田 達也 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (50293501)
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Keywords | 呼吸調節機能 / 新生児 / 低酸素性虚血性脳症 / 高炭酸ガス症 |
Research Abstract |
新生仔ラットの低酸素症および高炭酸ガス症での呼吸調節機能 (1)新生仔期の低酸素暴露(6%反復性、14%持続性)により、その後の分時換気量(VE)はコントロール群に比し有意に増加を認めたが、低酸素負荷により換気応答の著明な抑制を認めた。肺容量依存性吸気抑制反射(Hering-Breuer反射:HBR)は低酸素暴露により、コントロール群に比べ有意に増強した。 新生仔期の低酸素症は呼吸調節機構を修飾し抑制的に働く事が示唆された。 (2)新生仔期の反復性高炭酸ガス暴露(6%、日齢1から4まで1日2回30分)では、その後の呼吸数、分時換気量、HBRはコントロール群に比し有意な変化を認めなかった。測定時の3%高炭酸ガス負荷では、いずれの群も空気負荷に比較してHBRは減弱したが、その変化率には有意差を認めなかった。 (3)持続性高炭酸ガス症のHBRへの影響。 日齢1から4までの5%高炭酸ガス暴露では、その後のHBRがコントロール、3%炭酸ガス暴露に比べ有意に減弱していた。測定時の3%高炭酸ガス負荷では、いずれの群も空気負荷に比較してHBRは減弱したが、その変化率には有意差を認めなかった。 新生仔期持続性高炭酸ガス症は呼吸調節機構を修飾し、低酸素症とは逆に働くことが示唆された。
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