1998 Fiscal Year Annual Research Report
幼若脳における低酸素性虚血性脳障害でのHB-EGFの発現とその意義
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10770551
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
野間 大路 近畿大学, 医学部, 講師 (40281513)
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Keywords | HB-EGF / HIE / Neondtes |
Research Abstract |
我々はラットの脳組織を用いて、HB-EGF(Heparin-binding EGF-like growth factor)が胎生、新生児期の幼若な脳において発現していることを確認し、中枢神経系の器官発育、特に血管脈絡系の発達に関与している可能性を報告した。本研究では、幼若脳における低酸素性虚血性脳障害の発症とその回復期におけるHB-EGFの作用機序、発現時期などを明らかにし、神経組織の修復とHB-EGFとの関連についてのさらなる究明を行い、将来的には新生児脳障害の予防や治療に対するHB-EGFの臨床応用を目的としている。 研究実績であるが、低酸素性虚血性脳障害(HIE)モデルラットを作成した。妊娠SDラットを用いて、生後7日のラットの片側頭頸動脈を結紮後、低酸素負荷(8%酸素、92%窒素)を2時間施行した。このHIEラット大脳におけるHB-EGFのmRNA、cDNAの発現を確認するため、麻酔下にて開頭後、脳を採取し、抽出したRNAに^<32>P-dCTPをラベルしたHB-EGF cDNAプローブを用いてnorthern blottingを施行し、HB-EGFのmRNAを検出し、正常対照と比較した。また、HB-EGFのexon 1のopen reading frame全域を増幅するプライマーを設定し、RT-PCRを施行し、cDNAを検出し、同様に正常対照と比較した。 これまでのところ、HIEモデルラットにおいても脳室周囲の白質や脈絡叢を中心としてHB-EGFの遺伝子レベルでの発現を確認できているが、正常対照との間に明らかな有意差は認められなかった。
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