1999 Fiscal Year Annual Research Report
胃・大腸癌でのSMAD遺伝子の異常、及び多変量解析による臨床病理学的因子との検討
Project/Area Number |
10770584
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高木 幸浩 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (90293571)
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Keywords | Smad4 / Smad2 / colorectal cancer / gastric cancer / supressor gene |
Research Abstract |
TGF-β signaling pathwayに関わる重要なシグナル伝達機構分子Smad群の遺伝子のなかでもSmad2,4は、第18番染色体長腕にある大腸癌抑制遺伝子DCCのごく近傍(18q21.1)に位置することが判明している。これまでもDCC以外の遺伝子がターゲットになっている可能性が指摘されてきており、胃癌においても18qのLOHの頻度が高く癌抑制遺伝子の存在が指摘されているが、いまだ胃癌の癌抑制遺伝子は単離されていない。そこで、胃・大腸癌におけるSmad4,2の遺伝子解析を行い、変異等の異常が存在した場合には臨床病理学的因子との関連を検討することにより臨床的意義を明らかにした。対象は当科にて外科的に切除された胃・大腸癌のうち、解析可能な核酸が抽出できた大腸癌36例、胃癌35例であり、Tumor-node-metastasis(TNM)分類にて病期分類を行った。遺伝子解析法としてTR-PCR-SSCPとそれに続くクローニング・dideoxy法により塩基配列を決定した。大腸癌におけるSmad2,4の遺伝子解析結果は、Smad4変異例5例中3例に肝転移例があり有意差を認め、Smad2変異例は1例のみと低頻度のため臨床病期との統計学的解析不能であった。変異部位はSmad2,4ともにMH2領域とされる部位であり、Smad蛋白が3量体を形成する際の結合部位と一致した。胃癌における遺伝子解析結果ではSmad2,4ともに変異を認めず、Smad2,4が胃癌の癌抑制遺伝子である可能性は極めて低いことが示唆された。
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Research Products
(1 results)