1999 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌患者血清中のグルクロン酸転移酵素の活性測定と精製
Project/Area Number |
10770601
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
川崎 仁司 弘前大学, 医学部・付属病院, 助手 (00301028)
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Keywords | グルクロン酸転移酵素 / 大腸癌 / 蛍光標識 |
Research Abstract |
細胞が癌性変化を起こす際に、その表面に存在する複合糖質の糖鎖が、さまざまな変化を起こすことが知られている。コンドロイチン硫酸は、細胞表面に存在するプロテオグリカンの糖鎖であり、癌化の際に増加すると考えられている。グルクロン酸転移酵素(以下本酵素と略)は、このコンドロイチン硫酸の合成に関わる酵素である。最近、コンドロイチン硫酸の合成に関わる本酵素が、ヒト大腸癌細胞培養の培地に大量に分泌されているという報告がなされた。この報告により、大腸癌患者血清中でも本酵素が増加していることが予想される。本研究では、大腸癌患者の血清中の本酵素活性を測定し、新たなる大腸癌腫瘍マーカーとしての可能性を検討している。 現在までこの酵素の活性測定は、放射線同位元素を用いて行われており、特別の施設と多くの費用を必要としていた。本研究では、すでに本酵素を分泌することが知られているヒト大腸癌細胞L_0V_0の培地を用いて予備実験を行い、放射線同位元素の代わりに蛍光標識した糖受容体を用いた簡便な酵素活性測定法を確立した。 現在この酵素活性測定法を用いて、ヒト血清中の存在する本酵素活性を測定している。同時に、大腸癌患者の手術前後の血液を採取しており、大腸癌患者の進行度・転移の有無・組織型と本酵素活性の相関について考察し、新たなる大腸癌腫瘍マーカーとしての可能性を検討している。
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Research Products
(1 results)