1999 Fiscal Year Annual Research Report
姑息切除の功罪(Parabiosisを用いた実験的検討)
Project/Area Number |
10770625
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
松木 盛行 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50229449)
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Keywords | Parabrosisモデル / 姑息切除 / 手術侵襲 |
Research Abstract |
6週齢雄性C57BL/6マウスを大腿皮下にB16 F10 melanoma細胞(5xl0^6個)を移植し約5mmの腫瘍形成をみたところで腫瘤の全切除を行った治癒切除群(R群)、半分のみの姑息切除群(P群)、腫瘍細胞を移植せず大腿部の皮膚切除した対照群(C群)の3群に分けた。これらのマウスにおいて、切除術直後に尾静脈よりB16 FI0 melanoma細胞(5xl0^6個)を注入して肺転移を形成させた。切除術の2週間後に屠殺しa)肺転移巣の個数、大きさ、形態b)腫瘍増殖因子:Two color flowcytometolyによる原発巣、転移巣の細胞増殖c)宿主因子:IL-6、IL-2、TNFなどのサイトカインおよびリンパ球数、ナチュラルキラーT細胞活性などの細胞性免疫につき検討した。 また、手術侵襲が与えられた胃癌細胞に惹起されている遺伝子変化を検討する目的で、内視鏡による生検胃癌組織と切除胃組織中SOD遺伝子発現について比較した。 結果:姑息切除を行ったP群において腕転移巣の個数および大きさがR群、C群より箸明であった。P群の残存原発巣は3〜4日で切除前の大きさを越える増殖を示した。Flowcytometoryによる検索ではp群でG0期の細胞が減少し、セルサイクルに入るものが多くみられた。IL-6、IL-2、TNFなどのサイトカイン(市販測定キットで測定)は、P群で高値となる傾向を示したが、リンパ球数、ナチュラルキラーT細胞などでは3群間に差を認めなかった。 切除胃の胃癌細胞は、術前の内視鏡生検に較べSOD遺伝子発現が増強しているものがあった。
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