1999 Fiscal Year Annual Research Report
CGH法を用いた食道癌における遺伝子異常のスクリーニングと臨床への応用
Project/Area Number |
10770628
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
夏 錦言 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60287183)
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Keywords | 食道癌 / CGH / Cell lines / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / 染色体 / ゲノム解析 |
Research Abstract |
【対象・方法】食道癌細胞株8株(TE-series)を対象として,CGH法によりゲノム異常を検索した.また,c-erbB,cyclinD1,p16などの既知の遺伝子異常をDot blot hybridization法にての検索結果とCGH法による結果とを比較し、CGH法の遺伝子異常検出能を検討した. 【結果】8検体の蛍光輝度比を比較し,高頻度に認められたDNAコピー数の増加は,3q(50%),5p(75%),7p(63%),14q(75%),17q(75%),20q(75%),また,DNAコピー数の減少は4p(25%),4q(25%),18q(25%)に検出した.【考察・結語】既知の遺伝子異常としてのc-erbB(7p12)はTE1,3,8で,cyclinD1(11q13)はTE6,8で増幅を認められ,今回のDot blot hybridization法とCGH法による結果を比較してみると,同様の座位・細胞株に増幅を示す陽性所見を認めた.一方,コピー数の減少の検出感度は全体的に増加の検出感度より低かったため,既知の遺伝子異常との比較はできなかった.しかし,この方法は一度ですべての染色体を評価し,これらの欠点を補って余りある,有効な分子生物学的スクリーニング法と考える.現在これらの信頼度をもとに,臨床検体についても染色体変化に関連する遺伝子を調べるとともに,その臨床腫瘍学的意義の同定につなげるよう進めている.
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