1998 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージを用いた脳腫瘍免疫治療のための基礎的研究
Project/Area Number |
10770679
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
秋山 恭彦 島根医科大学, 医学部, 助手 (80301290)
|
Keywords | マクロファージ / 脳腫瘍 / 免疫治療 |
Research Abstract |
<目的>本研究は従来行われているLAK療法をマクロファージに置き換え、将来の臨床応用に結び付けることを目的とする.<研究目標>これまでの研究の結果から、活性化マクロファージは高度の脳腫瘍絹胞障害活性を有し、その機序として、マクロファージが産生する腫瘍壊死因子と酸化窒素ラジカルが重要であることが明らかになっている.平成10年度の研究では、まず第1段階として、活性化させたマクロファージを脳内に移入し、脳内でのマクロファージの細胞動態、特に、脳内での遊走能、サイトカイン産生能について観察し、また正常脳組織がマクロファージから受ける影響について検討した.<方法>C3N/HeNマウスにチオグリコレートを腹腔内投与して、浸濁性マクロファージを採取した.非活性型マクロファージと種々のサイトカインで活性化したマクロファージを各々1×10^3細胞づつ、頸頂葉皮質下に注入した.マクロファージ注入以後、1、3、7日目にマウスを屠殺しマウス脳組織を病理組織的に検討した.<結果>マクロファージには、in vitroの実験系と同様の酸化窒素ラジカル産生能が認められた.遊走能については、非活性型と活性型の間に有意な差が認められなかった.脳組織のマクロファージから受ける影響として、細胞注入操作による脳出血が認められたほか、脳組織の浮腫も観察された.<課題>現在マクロファージが産生するサイトカインについて定量中である.また、マクロファージの単独移 入のみでは遊走能が観察されなかったため、脳内に遊走誘導因子を注入し再検討を計画している.また平成11年度の研究では、担癌マウス(脳腫瘍動物)を用いて、直接的抗腫瘍効果を観察する計画である.
|
Research Products
(1 results)