1998 Fiscal Year Annual Research Report
悪性骨・軟部腫瘍におけるブロモデオキシウリジンを用いた化学療法の効果判定法
Project/Area Number |
10770708
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
毛利 良彦 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (00301193)
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Keywords | 悪性骨・軟部腫瘍 / 化学療法 / 効果判定 / ブロモデオキシウリジン |
Research Abstract |
現在、術前化学療法の効果判定は切除標本の病理組織学的評価によってなされている。しかし、壊死に陥っている細胞の判定は細胞や核の形態など一定の基準をもとになされるが、病理学者の経験によるところがあり、病理学者が異なればその判定も異なる可能性がある。また、化学療法により細胞や核の形態は壊死になっていなくても、早晩壊死に陥ってしまったり、休止期の状態になっている細胞は生細胞と見なされるため化学療法の効果を正しく反映しないことになる。そのため腫瘍性に増殖している生細胞とそうでない細胞を明確に区別する客観的な方法が求められている。我々は悪性骨・軟部腫瘍の臨床材料を用いて、これまでの脳腫瘍、頭頚部腫瘍の治療に放射線増感剤として生体内へ投与されていたチミジンの同族体のブロモデオキシウリジン(bromodeoxyuridine,BrdU)に対するモノクローナル抗体をリヨウした新しい化学療法の効果判定法についての研究を行っている。 これまで、実際の臨床材料から得られた組織片に対し、どのようなBrdU濃度で接触させれば安定した染色が得られるかなどの基礎データを得るために、腸管の切除組織片を陽性対照として検討した。その結果、軟部腫瘍の場合は培養液に1時間、37°C、5%CO_2の条件下で無菌的に培養し取り込ませる条件は一定にした場合、組織片1gに対し、100ug/mlのBrdUが含まれるようにした場合が必要十分な濃度であることが判明した。しかしながら、骨腫瘍の場合はBrdUの取り込みが一定せず、条件設定に難渋している。現在は、軟部腫瘍に関しては症例を集めながら化学療法の効果との関係を評価し、骨腫瘍に対して至適条件を検討中である。
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