1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770725
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
星 亨 杏林大学, 医学部, 助手 (80260876)
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Keywords | 馬尾活動電位(CEAP) / 腰椎椎間板ヘルニア / 腰部脊柱管狭窄症 / H波 / M波 / T波 |
Research Abstract |
1. Cauda Equina Action Pocential(以下CEAP)の波形分析:正常男性6例に対して、CEAPと共に下腿三頭筋のH波、M波(脛骨神経刺激)を記録し、刺激強度の差による波形変化を分析した。この結果、我々が、臨床で記録しているCEAPは、最大上刺激で刺激していることから、α運動線雑の逆行性電位とGl a線維の順行性電位の総和であると結論した。また、H波、M波が共に誘発される刺激強度では、CEAPの第1電位と第2電位が分離され、これらを個々に検討することにより、理論的にはα運動線維とGl a線雑の機能をそれぞれ評価できることが明らかとなった。 2. CEAPの臨床的意義:腰椎椎間板ヘルニア(LDH)50例を対象に、針電極を用いて腰椎(L3/4,4/5,5/S1)の各椎弓間より末梢神経刺激(腓骨神経、後脛骨神経)による知覚系の誘発電位であるCEAPを記録した。その電位波形の変化をgracle 1〜4に分類し、高位診断を中心に検討した結果、高位診断一致率は82.4%、false positiveは8.8%であった。 3. LDHの神経症状とCEAPの関係:運動障害例と知覚障害例における診断率に有意差はなかった。しかし、CEAPのgracleと臨床評価として用いている日本整形外科学会腰痛治療成績判定基準(JOA score)は有意に相関した。 以上の結果から、CEAPは、LDHにおける病巣の高位判定と、腰部疾患の重症度に関して他覚的な判定を可能にする有意義な検査法であることが明らかとなった. 今後は、これらの手技とT波の手法を用いて腰部脊柱管狭窄症(LCS)、LDHにおける主病巣高位の診断を確立したい。
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